妻に「冷や汁は姑の作ったものしか食べない」と言われた話【アジの塩焼きでアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ】
嫁姑の冷や汁通商協定
私、九州は宮崎県出身です。
宮崎の田舎料理に「冷や汁」というものがあります。焼き魚のほぐし身と焼き味噌、お出汁とキュウリや大葉を混ぜた、ご飯にかけて頂く料理なのですが、手間がかかる分なるほど美味しくて近頃は全国区の料理になりつつあるようですね。
私自身も大好きです。母親がよく作ってくれていました。
そして私の妻も冷や汁が大好き。
大阪女の妻は私と結婚するまではもともと冷や汁なんて知りもしなかったようです。ところが結婚後に母親からの仕送り(という名の米野菜便)に入っていた冷や汁を食べてからいっぺんにファンになった模様。
彼女が他にも好きな料理はいくつかあるんですが、だご汁(すいとんのようなもの)みたいな滅茶苦茶素朴な田舎料理が好きなようです。「帰る田舎があって羨ましい」の感覚なんでしょうか。
話を戻すと、スーパーに小アジが出ていたので妻の好きな冷や汁を作ろうと買い求めて来たのですが、妻には「お義母さんの冷や汁以外は喰わん。あんたは作んな。」と言われてしまいました・・・。
なんとも酷い言われようだな思いながらも、昨年末に実家に帰ったときに母親から冷や汁のレシピを教えてもらおうとしたときにどうも母親が教えたがらなかったことを思い出しまして。本人が作るって送ってあげるから、私には作ってもらいたくないような口ぶり。
なんやこれ、嫁姑の冷や汁通商協定かいな。
私の母親は自慢の冷や汁を妻が美味しく食べていることが誇らしくて、妻は料理を褒めることで素直に姑のこと立ててるんですよね。
・・・男の私が入る余地ないわ。
そんなわけでメニュー変更。
アジの塩焼きと椎茸のアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノを作りました。
レシピ
材料(二人分)
スパゲッティー 180g
小アジ 2~4匹
しいたけ 中3本(60g)
にんにく 小6片(大なら2~3片)
バジリコ 一枝(葉9枚程度)
鷹の爪 2本
オリーブオイル 適量
塩 20g(茹で汁) + アジの塩焼きに適量
調理手順
- アジは塩を振って塩焼きにします。あとで身をほぐしますので、ゼイゴやワタの処理は不要です。
- お鍋に2リットル程度の水を火にかけ、塩20g程度を加えておきます。
- アジを焼いている間ににんにくの下ごしらえをします。包丁の腹でぎゅっと押して潰します。空き瓶を使ったり、手のひらだけで押し潰したりと方法は色々ですが、香りの出方が全然違うので必ず潰してから料理に使ってください。潰した後、皮を剥いてヘタと芽を取り除きます。芽の部分は焦げやすく、苦みの原因になるので必ず取り除きましょう。フライパンに冷たい状態でオリーブオイルを引いて、弱火でにんにくを炒めてください。ちりちりと静かに気泡が出てくるくらいの弱火を維持しましょう。
- 鷹の爪は頭の部分を包丁で切り落として、優しく揉んで種を取り除きます。鷹の爪の辛味はちと暴力的なので取り除いておきましょう。そのかわり、鷹の爪を揉んであげることで細かい亀裂が入って、オイルに香りと味が移りやすくなります。この下ごしらえが終わったら、フライパンのオリーブオイルに加え、にんにくと一緒に香り出しします。
- 椎茸は香りが台無しになるので水洗いはせず、濡らしたキッチンタオルで汚れを軽く拭き取るくらいにしておきます。国産品であればそれで十分です。決して安い食材ではないので丁寧にwww 四等分くらいにカットしておきます。
- フライパンの火加減は弱火のまま椎茸を炒めます。ここでにんにくと鷹の爪の香りが移ったオリーブオイルをたっぷり椎茸に吸わせてあげます。
- このあたりで麺を茹で始めます。
- 焼き上がったアジの塩焼きの身をほぐします。できるだけ大きな塊で身が残るように丁寧に骨を取り除いてあげてください。今回のこの料理で一番面倒な工程ですので、時間があれば先にこの下ごしらえをやっておく方がよいかもしれません。
- アジの身も弱火のフライパンに加えて炒めます。イメージですが、アジのお出汁もオイルに、そして椎茸に入りますように!です。
- 麺のゆで加減をみつつ、茹であがりのちょっと前くらいに茹で汁をお玉ひとつくらいをフライパンに移してソースの仕上げをします。コツは、茹で汁は少しずつ加えてフライパンを一生懸命揺することです。これでオリーブオイルと茹で汁が乳化して一体感のある麺に絡みやすいソースになります。
- 麺も加えてフライパンで茹できります。ここでバジリコの葉も加えて香りだし。バジリコは火に当てすぎると黒くなるので注意してください。
- お皿に盛り付けて出来上がり。鷹の爪は大事な彩りなのでトッピングに活用しましょう!!
味の感想
僕は漁師町の育ちのせいか、魚料理が大好き。
その上、オイルパスタが大好きになった理由は福岡の薬院で食べたイワシのオイルパスタです。
そんなわけで、こういう魚を使ったパスタ料理が大好きなんですよね。
いや美味しいです、これ。
特別な食材なんて全然使っていないんですけど、あまりアジを洋風な料理に使うことはないでしょうから、とっても有り難みが増します。塩気とアジの肉感とにんにくと鷹の爪のパンチ。
みなさん、日本のスーパーの鮮魚コーナーはとっても優秀です。
地魚のスパゲッティ、お勧めですよ。