おさーん食堂

最近、1カップが200ccだって知りました

牛丼を食べながら、日本で生きていくために必要なことについて考えた

もともと、「薄切りの牛肉」を食べるのは世界でも日本人だけでした。

ですので、肩ロースの部位を美味しく食べるのが上手だった日本人は、かなり安く材料を仕入れて、お手軽な価格で牛丼を食べていたわけです。

世界的に見れば、それほど需要のある部位ではなかったのですね。

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ところが、その肩ロースを含む薄切り調理に使われる牛肉が値上がりして、結果、牛丼屋さんの値上げを招いています。

では、牛丼の材料となる牛肉の供給不足を招いている原因は何か?

これが、中国人の「火鍋」なんですって。
中国人の所得アップやブーム的なものもあろうかと思いますが、中国人が火鍋を好んで食べるようになった一番大きな理由は、中国人の自国の食に対する不信感、危機感なんだそうです。

火鍋屋は肉を調理前にテーブルに提供するので、自分たちで材料を目し確認できてかつ加熱調理するから安心。


ラジオニュースでミートジャーナリストなる人がそう語っているのを聞いて、膝を叩くのと同時に少々考えさせられました。

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ぶっちゃけ、中国人が肩ロースを食べようと、マグロを食べようと、鰻の美味しさや松茸の香りの良さに気づこうと、それは我々がとやかく言えることではありません。
逆に海洋資源保護の観点で言えば、日本は世界屈指の問題児。官僚と組合の癒着が強すぎてあるべき漁獲規制が機能していない。結果漁獲高が減り、自分たちの首を絞めている。鰻は密漁もあって絶滅危惧種

外国漁船の違法操業や乱獲を悪し様に報道するのはプロパガンダの性格も強いので、皆さんは一度エビデンスベースで事実を捉えて欲しいと思います。

話が逸れましたが、中国人が何を食べようと、何を輸入しようと勝手なのが、自由貿易と国際分業が経済を豊かにするというデビッド・リカードの説の言うところ。


だから日本人は文句言えないのですよ、その資本主義、世界システムに乗っかっている国なのだから。

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ここではTPPが怖いとかそういう議論ではなくて、貿易黒字を稼ぐより、自分たちの食べたいものを安定生産、収穫することの方がよっぽど大事なのではないかと言うことを言いたかったのです。

松茸なんて二十年で収穫量が5%に減ってるんですよ。みんな町に出て、山の手入れができなくなったから。挙げ句の果てに中国産松茸を結構な値段で輸入したりして。
最近強く貨幣経済について疑問を感じます。このシステムは、自己拡張性が強すぎて、真の意味で生産リソース(つまり人手)と資源の最適配置を阻んでいるような気がします。

残業して小銭稼ぐより、兼業農家で野菜くらいは自給率を上げて、家庭のエネルギー支出を抑えるライフスタイルを作ることの方が、これからの日本では有効なサバイバル戦術だと思っています。

この日本の豊かさを築いてくれた先人の努力に心から感謝をしつつも、百年規模でのシステムの転換期に差し掛かっている自覚を持って並盛りに380円を払いました。

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www.nikkei.com

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■マツタケ 生産量推移

https://ww1.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/zuhyou/pict/matsutake_seisan_1905-2003.png

出展:松茸の生産量推移を整理して紹介します。 - 水徒然

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